山本甲士さんの「はじめまして、お父さん」を読みました。
山本甲士さんの作品は「ひかりの魔女2」に続いて5作品目の読了です。
てっきり、タイトルになってる「お父さん」は今までの山本甲士さんの作風からすると主人公のことかなと思ってたけど、そうじゃなくて主人公のお父さんのことでした。
新しいパターンの展開やったけど、新鮮で楽しく読むことが出来ました。
主な登場人物
白銀力也:主人公。妻と息子の3人暮らしのフリーライターさん。子供の頃の生活はちょいと辛いことが多かった。
合馬邦人:力也のお父さん。ナヨナヨとしてる力也と違って、イケイケでやんちゃなタイプ。女性にモテる罪なやつ。
所感
力也と邦人は実の親子ではあるけど、邦人の破天荒な人生から、一緒には生活をしていなかった関係。
力也は子供の頃は母親と、その母親の再婚相手の男性と暮らしてて、一方の邦人は芸能人をしていた。
だから、力也からすると、テレビの中に写ってる俳優さんが自分の実の父ってことやから、なんか不思議な感じですよね。
邦人はヤクザの人とかと接点があったり、トラブルも多かったりと芸能界は引退をしたわけやけど、実業家としても成功を収めるというバイタリティ溢れる人物で、ふとしたきっかけで力也と再会を果たすんです。
そして、色んなところで子供を作ってたり、迷惑をかけた人に対しての邦人の謝罪行脚みたいな形で邦人と力也の2人で全国を回っていくわけです。
ちなみに、力也もその子供のうちの1人ってことですね。
石原美樹さん
↓
井手浦良さん
↓
市丸昭伸さん
↓
と会うための全国行脚。
井手浦さんとか人によっては、力也からすると異母弟のヒトたちと会うってことやからなんか不思議な感覚だったと思う。
で、邦人は罪滅ぼしみたいな感じで会った各々の人に対して謝罪金を渡そうとするのですが、誰も受け取ってくれない!
それは悪い意味ではなくて、いい意味でみんな現状の生活に満足は出来ていて、受け取るとかえってダメになってしまうんじゃないかという理由で、受け取り拒否をするわけです。
なんと表現していいか分からないけど、罪滅ぼしをしっかりとしようとしてる人と受ける人とだと求めるものも違ってたりするんでしょうね。
時と場合によるとは思うけど。
お金じゃない価値観。
大事にしたいと思います。
最後の方は思わずウルッときてしまいました。
心温まる話ですごく良かったです!
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