西加奈子/こうふくあかの

読書感想文

西加奈子さんの「こうふくあかの」を読み終わりました。

 

西加奈子さんの作品は「地下の鳩」に続いて14作品目の読了です。

 

何気に西加奈子作品もけっこう読んでるよなぁ。

 

地元大阪を舞台にしてることが多いので、好きなんですよ。

 

今回は年代の違う2つの話が交互にあって、話の内容自体は繋がりは全くないといった構成。

 

ただ、最後の最後でちょいた繋がったのがまた面白い!

 

しかもプロレスつながりでなっ!

 

 

 

【主な登場人物】

靖男:主人公。仕事はできるし、しゃべりも出来るし、何でもソツなくこなす奴。

 

国子:主人公の奥さん。容姿はまあまあいいみたいだが、天然っぽい生活で、悪意なく人を傷つけそうな人。個人的には、絶対に近づきたくないタイプの人。

 

兎島:主人公の靖男と同じ会社で働いてる奴。仕事も出来ないし、プライベートでもパッとしない冴えない奴。

 

アムンゼン:2037年の時代のレスラーでチャンピオン。西脇という解説者からは日本人だと言われているが果たして、、。

 

【所感】

主人公の靖男というやつは思い込みが激しいというか、周りの目を気にしすぎるというか、素敵でありたいと思う自分とダメなやつを比較して自分は大丈夫なんだと慰めてる可哀想なやつって感じで読んでて、痛々しかった。

 

話を読み進めていくにつれて、靖男の他人を見下す思想がきっと後々に影響してくるんだろうなと思ってたら、まさにそういう感じになってったし。

 

あの、会社の同僚の兎島に連れて行ってもらった居酒屋の雰囲気がこの話の空気感を象徴してるみたいで、なんか面白かった。

 

こういう、お店を自分も行ってみたいなと思う。

 

にしても全体的に思うのは、女性の作家だからこそ出来る表現があって、なんかそれに圧倒されたなって。

 

なかなか面白く読ませてもらいました!

 

余談でよくないことだとは思うのですが、子供の出産のシーンは元プロ野球選手の駒田さんの都市伝説を思い出してしまいました。

 

くわばらくわばら

 

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