西加奈子さんの「i(アイ)」を読み終わったので読書感想文を書きます。
西加奈子さんの作品は「しずく」に続いて18作品目の読了です。
う〜ん、今回も面白かった!
西加奈子さんの描く登場人物って、男女関係なく感情移入がしやすいんですよね。
だからこそ、西加奈子さんの作品は好きなんだと思う。同じ大阪という同郷でもあるしな!
今回はアイという女の子のお話。
「この世界にアイは存在しません」
冒頭はこの言葉から始まるのですが、始終繰り返しこの言葉を見ることになります。
アイは存在するのか?
主な登場人物
アイ:主人公の女の子。父はダニエルというアメリカ人で、母は綾子という日本人。
ミナ:アイのよき親友。変に遠慮してではなく、自然な形でアイに接してくれるからアイとしても接しやすいみたい。
佐伯裕:アイと結婚することになる人。アイよりも16歳くらいの年上で、基本自由人。
内海義也:高校生のときのアイの初恋の人。ただ、こいつが悪いわけじゃないけど、のちのち禍をもたらすことに。
所感
アイもなかなか複雑な環境で生まれ育ってるんです。両親はアメリカ人と日本人なんやけど、そのハーフというわけではなく、アイ自身はシリア人なのです。養子というわけですね。
そういうこともあってか、アイは頭もいいけど、物語を複雑に考えてるというか発想や思考が奥深いというか。
なんか作風が前に読んだ「サラバ」に似てる印象を受けました。
アイ→命
繋いでいくものというか、テーマが壮大な印象も受けました。
アイが大きな事故とか天災とか戦争で亡くなった人の人数を学生の時からずっと数えてるってのも命に関わってることやしね。
主人公のアイはいろんな葛藤を抱えて生きていくわけなんですよね。
自分の恵まれた環境であったり、友人のことであったり、子供のことであったり。
繰り返される「この世にアイは存在しません」と「この世にアイは存在しさます」がその時々のアイの心情を物語ってて、読んでる自分もなんか切ない気分になったり嬉しい気持ちになったり。
アイはI、裕はYOU、ミナはALL。
社会との繋がり。
なんかすごい話でした!
ちなみに、今たまたま、「ひとつ屋根の下」というドラマも見てます。
そこに愛はあるのかい!?
というあんちゃんのセリフ。
あらためてすごくいい言葉だなと思い返しました。
自分も愛をもって生きれるようにがんばろう!
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