山本甲士さんの「戻る男」を読み終えました。
山本甲士さんの作品は「はじめまして、お父さん。」に続いて6作品目の読了です。
山本甲士さんの作品の登場人物で主人公となってる人は自分とほぼ同年代の人が多かったりするから、共感を持てやすかったりします。
今回は主人公の小説家ぎ過去にタイムスリップをするというお話。
もし自分が過去にタイムスリップ出来るとしたらいつの時代に戻りたいと思うかな?
・生まれたばかりのとき
・大学受験のとき
くらいかなぁ。
主な登場人物
新居航生:主人公。小説家だが、一発ヒット作を出した後はぱっとしない状態が続いている。結婚もしてたが、離婚もして独り身になっている。
八木:本名かどうかは怪しいけど、航生に対してタイプスリップしませんか?と案内をしてきた人。
所感
いや~、面白かった!
過去に戻れるとしても戻りたい時期は人それぞれなんですね。
基本的には人生の分岐点になろうとしていた時なのかなと思うけど。
八木という人にタイムスリップを勧められて、3回ほど実体験をした航生。
まるで世にも奇妙な物語の世界ですよ。
ただ。このタイムスリップしたということはオフレコにして欲しいと八木に口止めされてたけど、なんかそれも怪しいんです。
タイプスリップさせることの本当の魂胆はどこにあるのかなと、疑って読んでました。
世に影響力のあって、しかも書き手のプロの小説家さんに案内すること自体が、世間に漏れるリスクが高いですからね。
案の定、航生はブログに経験をしたことを書いてしまうわけです。
なんとなくはオチは見えてはいましたが、そうは言ってもこの物語はファンタジー系なんじゃないかと思いを込めて読み進めました。
過去の記憶は誰しもがどんどんとあやふやになっていき、忘れていくものや思い出が美化されたり、逆に嫌な思い出はどんどんと誇張されたり。
そう言ったものを利用してのことだったんですよね。
今年は大学時代の同窓会がゴールデンウィークあたりに開催予定なんです。
20年ぶりに会うメンバーなので、学生時代の自分がどんなんだったのかを客観的な視点で確認したいと思います!
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