朝井リョウ/もういちど生まれる

読書感想文

朝井リョウさんの「もういちど生まれる」を読み終わりました。

 

朝井リョウさんの本は「何様」に続いて10冊目の読了です。

 

ついに朝井リョウさんの本も2桁の読了かぁ!

 

話のテンポも良くてわかりやすいからスイスイと読めるんですよね。

 

大学生時代とかの話が多い印象があるのですが、登場人物の心理描写になんかすごく共感がもてるっていうのも好きなポイントかも。

 

今回はいくつかに分かれた短編小説でした。

 

 

ひーちゃんは線香花火

大学生のメンバーが織りなす恋愛の話。

 

主人公は恋人(尾崎)がいるのに他の男性(風人)のことが好きになってしまった汐梨。

 

汐梨と風人(男性)とひーちゃん(女性)の3人で行動することが多いのかな?

 

で3人で汐梨さんの家で遊んでたときに汐梨が寝てしまってそのときに、風人?ひーちゃん?にキスをされるんですよね。

 

汐梨からすると、気になる風人にキスをされたわけやからもうドキドキですよね!

 

一方、ひーちゃんは線香花火のように繊細な存在。

 

いついなくなってしまうかも分からない。

 

そんなときにひーちゃんが車にひかれてしまうんです。

 

その原因となった理由がまた辛いというか切ないというか。。

 

ほんと、線香花火みたいな存在なんだなと思いました。

 

 

もういちど生まれる

椿という読書モデルにもなるようなきらびやかな女性と双子の梢という女性が主人公の物語。

 

ちなみに椿が姉で、梢が妹です。

 

梢は椿に対してコンプレックスを持ってたりするんですよね。

 

同じ瞬間に生まれたにも関わらず、椿の方がモテたりキラキラとしてるからなんですが。

 

まあ、本当は椿は椿なりに、陰で相当に努力をしていたりいろんな葛藤があるとは思うのですが。

 

そんな梢は二浪をしていて、予備校の先生に恋をしてるんです。

 

「ひーちゃんは線香花火」にでてきた風人とは戦友みたいな関係もあったり。

 

梢には梢の素敵な部分もあるんやし、変に背伸びをせずにらしさを出していけばいいのになと思いました。

 

この話の冒頭にあった「海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか

 

この一文がなんかすごく気に入りました。

 

きっと椿と梢のことを比喩してのことだとは思うのですが、こういう一文を書けるというかこういう発想をもてるところが朝井リョウさんの本が好きな理由だったりもします。

 

 

あとは、「燃えるスカートのあの子」、「僕は魔法が使えない」、「破りたかったもののすべて」の話もありましたが、どれも大学生ならではの繊細な気持ちが伝わってきてどれも面白かったです!

 

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