村田沙耶香/マウス

読書感想文

村田沙耶香さんの「マウス」を読み終えました。

 

村田沙耶香さんの作品は「殺人出産」に続いて5作品目の読了です。

 

 

村田沙耶香さんといえば狂気じみた一風変わったものが多くて読後感は疲労が大きいものが多いのですが、それでもたまに読んでみたくなるんですよね。

 

でも、今回のやつは「マウス」ってタイトルにもある通り、可愛らしいイメージもあるし、そんな変な感じの内容にはなってないはず!

 

ということで購入して読みました!

 

 

主な登場人物

田中律:主人公で小学生の女の子。目立つグループよりは目立たないグループに属していて、妙に周りのことを気にするクセがある。

 

久美:律ちゃんの友達。名脇役にもならないくらいの目立たないキャラ

 

麗ちゃん:律ちゃんの友達。久美ちゃんや律ちゃんと比べるとませた女の子。3人の中ではリーダー的な存在か。

 

塚本瀬里奈:クラスのいじめられっ子。よく泣くし、何を考えてるのかもよく分からない。

ただ、自分を「くるみ割り人形」のマリーになぞらえて行動しての途中からブレイクをして目立つキャラにイメチェン。

 

所感

自分の時もそうやったけど、小学生ってクラスの中で序列を作りたがるもんやよなぁ。

 

アイツらのグループは不良グループで目立つやつらだとか、逆にアイツはオタクっぽくてなんか気持ち悪いから俺たちのグループよりは下やよなぁ。

 

とか。

 

こういうのって男子だけのことかと思ってたけど、女の子の世界でもあるもんなんやなぁ。

 

しかも、女の子の方が人間関係はややこしそう。

 

 

学校という場所は、スーパーに似ている。私たちは陳列されているのだ。

 

ってこれぞ村田ワールドって感じがしたのですが、小学5年生がそんなこと思うんかいな!

ってつっこみたくはなりますが、さすがって感じです。

 

律ちゃんと瀬里奈は対照的な2人ですよね。

 

律ちゃんは目立たないように個性を打ち消そうとやっきになってるし、一方の瀬里奈は我が道を行くといった感じで瀬里奈自身の個性が出されてるし。

 

まあ、個人的には律ちゃんの方に感情移入が出来るのですが。

 

なぜなら自分も周りの目を気にしすぎる感があるので、律ちゃんと似てるなと思ったからです。

 

いずれにしろ、変な感じで終わるわけではなくお互いに「大嫌い」といえるんですから、きっといい関係の2人になっていくんでしょうね。

 

いいお話でした!

 

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