藤岡陽子/ホイッスル

読書感想文

藤岡陽子さんの「ホイッスル」を読み終わりました。

 

藤岡陽子さんの作品は「晴れたらいいね」に続いて6作品目の読了です。

 

色んな人の視点から話が繰り広げられるので、各々の立場の人がどういう風に思ってどういう風に行動に移していくのか、逆にどういう風に行動に移されるのかという形で読めたので面白かったです。

 

 

【主な登場人物】

園原聡子:長年連れ添った旦那さん(章)に裏切られて、突然姿をくらませた上に家まで追い出されるという悲惨な事態に陥ってしまう。

 

沼田和恵:聡子の旦那の不倫相手。不倫に対して深く考えてなかったこともあって罪悪感も少なくて、むしろ自身の方が被害者なんだ!くらいの面の皮が厚い人。

 

レミ:悪の権化!人間の面を被った化け物といっても過言ではないでしょう。そうは言っても友達にはなってみたいかも。

 

香織:聡子の一人娘。献身的に動いてはいるけど、香織自身の家庭の事情もあったりでなかなか思うように動けないで苦悩する。

 

芳川:弁護士さん。ただ、あんまり見せ場はなかったかも。弁護士として優秀かどうかがよくわからない。

 

 

 

【所感】

よくもまあ、こんな不幸なことが起きるもんだと思ってしまうくらいに聡子の置かれた状況にびっくりしてしまう。

 

聡子は何一つ悪いことはなくて、出て行った章(アキラ)のただただ勝手な思いで人を不幸にするなんてほんまに章はひどい奴です。

 

こういう人にはやっぱ悪い奴が寄ってくるんでしょうね。

 

聡子の気持ちが切なかったです。

 

裁判に勝ちたいとかお金が欲しいとかではなくて、章に戻ってきて欲しいという思いから行動していたということがすごく心に残りました。

 

今まで社会人経験も無いのに懸命に頑張ってる姿はほんと、応援したくなりました。

 

そういう心のきれいな気持ちを持った聡子を裏切って、逆に心が病んでる和恵に惹かれるなんてどうかしてるぜ!

 

和恵の置かれた境遇には全然、可哀そうとも思わなかったもんなぁ。

 

ピュアな人が幸せになれる世の中でありたいなとあらためて思った今日この頃でございます。

 

 

 

 

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