春口裕子さんの行方を読み終えました。
春口裕子さんの作品は初めてなので、作者がどんな人なのかを簡単に調べてみました。
まず名前の読み名は「ひろこ」ではなくて「ゆうこ」です。
1970年生まれなので自分より7つ上の48歳です。
作家デビューは2001年でもうじき20年を迎えるみたいですが、今回の作品で初めて春口裕子さんの存在は知りました。
「火群の館」でデビューしたあとは、「イジ女(メ)」とか、「女優」とか女社会の怖い部分に焦点を充てだ作品が多いみたいです。
さて、今回の「行方」はどんな内容なんでしょうか。
ドス暗い雰囲気がプンプン漂立てるんですが、、
【主な主人公】
山口妙子:3歳の娘を誘拐されたかわいそうな母親。しかも、追い討ちをかけるかのごとく姑や周りからクチャクチャ言われ放題の状態。
山口琴美:誘拐された女の子。誰に何のためにさらわれたのか…
楓:気難しい父親とともにペンションを運営の手伝いをしている今時の女の子。年齢的にも、楓が琴美じゃないかという匂いがする。
幸子:ちょっといじわるな女の子。ひょっとして誘拐をされたことがきっかけでひねくれた琴美だったりして。
誠司:楓の父親。ペンションを経営する寡黙な男性。過去に何かしらの苦い思い出を抱えてそうな予感。
【所感】
なんとなく、角田光代さんの「八日目の蝉」に似てる内容でした。
と言ったら、「八日目の蝉」を読んだことのある人だったら琴美がどうなったかや、なぜそうなったのかはわかってしまうかな。。
どんなに深い事情があったとしても人の子をさらうのは本当に良くないと思う。
最後の、琴美のお父さんの挙動をみたら辛くなってくる。
子供を触られた親は、自責の念に駆られつついつまでも悲しみを抱えて子供が帰ってくることを待ってるわけで、さらわれた子供も、事実を知った時にすごく傷つくやろうし、さらった人も、ずっと後悔と後ろめたさとがつきまとうわけで、誰も何もトクをしなくてみんな傷つくわけですもんね。
罪を受けるくだりのところも含めてさらった人はどこまで自分の都合のいいことばかり考えるんだろうと思ったりもしました。
って否定的なことばかり言ってしまいましたが、誰しもが弱い心を持ってるわけですもんね。
無事に琴美が帰ってきたことがよかったし、子供も無事に生まれてきたわけやし、よかったよ。
お父さんが、琴美と琴美の子供を間違えるもの仕方がないですよね。
読んですごく切ないし辛かったですが。
まあ、幸子の彼氏さんが嫌な奴でダメな奴っていうよくあるパターンでで終わらずに、本当はいい奴だったというところもよかったかもw
今年に入って子供がテーマの作品を読むことが多くなったような気がする。
次は小川糸さんの「サーカスの夜に」を読みます!
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