殺人出産/村田沙耶香

読書感想文

村田沙耶香さんの「殺人出産」を読み終えました。

 

村田沙耶香さんの作品は「タダイマトビラ」に続いて4作品目の読了です。

 

村田沙耶香・・・いや~、相変わらず一風変わった発想でびっくり!

 

読んでて疲れるのは分かってるんやけど、なぜかたま~に読みたくなってしまう。

 

怖いのを分かっててたまにホラー映画を見てしまう感覚に似てるような感じでしょうか。

 

今回もなんとなく「消滅世界」の中の世界観に、殺人出産という部分をアドオンした感じでしょうか。

 

「殺人出産」とは、10人産んだら1人を誰でも殺すことが出来るという社会。

 

今の我々が住んでる世界感とはまったく違っていて、恋愛で結婚をして子供を産むということがなくなってきてて、だからこそ出産をする人が重宝される。

 

だからと言って、にくそい人を殺したいなんてねぇ。。

 

しかも10人産む労力って相当に大変やろうに。

その間、ずっと殺したい人のことを考えてるわけやもんね。

生霊みたいな怨念ですわ。

 

 

【主な登場人物】

育子:主人公。あんまり主人公の特徴が述べられないくらいに作風のインパクトが強かった。

 

環:主人公のお姉ちゃん。10人産んだら誰か一人を殺すことが出来るという権利を持つことができる「産み人」になった人。小さいころから風変りな人やったっぽい。

 

早紀子:育子の友達。常識人。

 

 

【所感】

この登場人物の環ねーさんが村田沙耶香さんの思想に当てはまる人なんですかね。

まさかの人がねーちゃんのターゲットになってしまってさらにびっくりでしたよ。

 

今まで自分が本を読んできた経験則だと、この人がきっと殺されるんやろうなと思ってたけど、まさかの人が指名されてました。

 

まあ、振り返ってみたらそうなんでしょうけど。

 

途中からは自分がこの世界に入ってしまった場合のことを考えて読んでました。

 

いつ・誰に殺される指名を受けるかも分からないわけやし、しかも指名されてから殺されるまでの1か月間は気が気じゃないですよね。

 

周りに遠慮しまくって、人さまとの交流がきっと途絶えるんやろなと思いました。

 

存在感を消して生きていかなきゃいけないのかなと思うと嫌な世界やわ。

 

読後感はやっぱり疲れました!

 

 



 

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