林民夫/糸

読書感想文

林民夫さんの「」を読み終えたので読書感想文を書きます。

 

林民夫さんの作品は初めて読みました。

 

この「」という作品は中島みゆきさんの歌をベースにしてるのかな?

 

中島みゆきさんの「糸」は大好きな曲で昔に「聖者の行進」というドラマの主題歌にもなってましたね。

 

その「聖者の行進」では、ひどい虐待があったりでハレーションを起こした内容でしたが、その中でも中島みゆきさんの「糸」が流れるとなんとも言えない気持ちになったことを思い出しました。

 

 

 

主な登場人物

高橋漣:主人公。葵という女性を12歳の時から思い続けていた。

 

後藤弓:8年間近くにいた竹原と結婚をした。美容師をしていて、一見は華やかそうではあるが、心のどこかで濁った気持ちを抱えている。個人的には同類じゃないかと思えてしまう。

 

竹原直樹:そんな弓をずっと一途に想い続けた真っ直ぐな性格の人間。空気は全然読めないらしい。

 

園田葵:子供の頃に母ちゃんと同居をしている男から暴力を受けていた。そのこともあって、故郷の北海道を去って東京へ。

 

所感

葵を中心として物語は進んでいくのですが、この葵の生い立ちがまた辛いんです。

 

子供の頃に虐待にあってたり、大人になってからも同居していた男がリーマンショックの影響で破産してしまったりと、なにかと男運がないというかなんというか…。

 

てっきり漣と葵の2人が12歳の子供の頃からずっと想い続けて、最後に結ばれる流れなのかなと思ってたけど、葵だけでなく漣も他の女性と恋に落ちて結婚もして子供も生まれてという人生を過ごしているわけです。

 

 

結ばれるかなと思ってたけど、結ばれない。

 

色んな時代を駆け足で描かれてるんやけど、葵も東京やったり沖縄やったりシンガポールやったりと色んな場所で色んな人と出会っては離れてを繰り返してるんですよね。

 

漣とは結局は結ばれないのかな?

 

 

この作品は平成時代を駆け足で巡っていったのですが、自分がもし10年若くて、漣や葵と同じくらいの歳やったらもっと違った感想にもなってたかも。

もっと感情移入が出来たような気がしました。

 

平成の終わりとともに漣と葵はついに、、

 

昔みた映画の「ハナミズキ」に内容が似ているような気がしました。

 

ということで映画化もされるみたいてすが、映画は見なくていいかな。

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