中島京子さんの「長いお別れ」を読み終わったので読書感想文を書きます。
中島京子さんの作品は初めて読みました。
作者は東京都出身の1964年生まれで、パパはフランス門学者で中央大学の名誉教授、ママもフランス文学の元教授というなんか超エリートな感じです!
今回は認知症に罹った東昇平という元教師のおじいいちゃんのお話。
生々しくもあり、切なくもありで自分も他人ごとではないなと思い、恐々とした気持ちもありつつ読み進めました。
主な登場人物
東昇平:主人公。認知症に罹ってしまった。
東曜子:昇平の奥さん。文句や愚痴一つ言わずに献身的に昇平を支えている。
茉莉:3姉妹の長女。サンフランシスコ近郊に住んでいて2人の子供(兄弟)がいる。
菜奈:3姉妹の次女。40歳半ばで2人目の子供を授かる。
東芙美:3姉妹の末っ子。仕事は出来るみたいだが、どこかツンツンとしたところあり。
所感
認知症に罹ったお父さんと、それを支える妻と3人の娘のお話。
これからますます高齢化が進んでいくので、本当に他人ごとではない話なのでしっかりと現実を見据えたうえで読みました。
いったいどうなっていくのか怖くてページをめくるのがちょっと億劫になってしまいました。
昇平の認知症が年々進んでいって家族の負担がどんどんと大きくなっていくわけですが、それでも妻の曜子さんは献身的に夫を支えるわけなんですよね。
たとえ自分の身を犠牲にしてまでも。
普通に考えたら、面倒だと思ったりイヤになったりするものなのに、嫌な顔ひとつせずに夫のサポートをしているわけなんです。
妻の曜子さんだけでなく、娘の3人も自分の父ということもあるんやろうけど、しっかりと考えて行動をしているんです。
何がそうさせてるのかなといろいろと想像をしてみたのですが、「家族を思いやる気持ち」ということかなと思いました。
そして、そのように育てた昇平の人となりがそうさせたのかなとも思いました。
ちなみに本のタイトルの「長いお別れ」というのは認知症を発症してから亡くなるまでのことを指すみたいですね。
なるほどと思う反面、なんか寂しかったです。
でも、この本は読んでよかったです。
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