綿矢りささんの「手のひらの京」を読み終わりました。
綿矢りささんの作品は「憤死」に続いて4作品目の読了です。
この物語は京都が舞台となっていて、大学時代に京都で過ごした自分としては懐かしい気持ちにも浸りたいなと思い購入をしました。
内容としては、京都に住む三姉妹の話で女性向けのものって感じはしましたが、女性視点での恋愛観をみることが出来て勉強にもなったし、内容自体も面白く読むことができました。
主な登場人物
綾香:三姉妹の長女でしっかり者。婚活に悩みを抱えている。図書館に勤めている。
羽依:次女で長女の綾香とは恋愛に関しては正反対で恋多き女性。会社の上司と恋仲にはなるが、うまくはいってない。ちなみに名前の読み方は「うい」。
凛:三女で学生さん。現状維持を打破したいのか家を出たいと思っている。ちなみに恋愛にはあんまり興味は無さそう。
所感
奥沢家の三姉妹のそれぞれが抱える葛藤を題材として物語は進んでいきます。
次女の羽依さんの恋愛観やその思考がすごい!
周りの状況をすごく観察をしていて、それに合わせてどのタイミングでどういう風にしたら恋愛がうまくいくのかを考えてるわけなんですよね。
恋愛に関しては、男に比べて一枚も二枚も女性の方が上手なんだなとあらためて感じることが出来ました。
ただ、個人的には羽依さんはとっつきにくいかなって思ったり。
そんな次女の羽依さんから、羽依さんの会社の人を紹介してもらった長女の綾香さんの話が良かったです。
最初はその紹介してもらった男性とぎこちなかったりしたけど、その描写がまた共感をもてるんです。
そして、無事にうまく結びつくことはできるのですが、それがまた心の底から祝福をしたくなるんです。
本当に良かった!
三女の凛に関しては恋愛というよりも、生き方みたいなものがテーマとなっていて、この物語の中では主人公的な立ち位置にいるのです。
自分は果たしてこのままでいいのだろうか?
家を飛び出して違う景色をみたいという願望があるわけなのですが、そういう気持ちも大事ですよね。
東京に行くことになるんやけど、故郷である京都のこと、そして家族のことを想う気持ちはちゃんと持ってるんですよね。
三姉妹各々に悩みはあるけど、どの話も身近な出来事に感じて面白かったです。
今年は久しぶりに京都に行ってみようかな。
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