中山七里/もういちどベートーヴェン

読書感想文

中山七里さんの「もういちどベートーヴェン」を読み終わりました。

 

中山七里さんの作品は「翼がなくても」に続いて11作品目の読了です。

 

中山七里さんの作品といえば、グロかったり冷酷非道な内容のものが多いイメージなのですが、今回のは検事志望の司法習生をメインとしたお話。

 

 

そういえば、何気に自分も大学は法学部でしたが、検事になりたいとはまったく思わなかったなぁ。

 

そもそも法学部なのに検事とかよく知らなかったからなんですが苦笑

 

法律が絡んでるだけに、御子柴弁護士がちょこっとでも出ないか期待しつつ読み進めました。

 

主な登場人物

岬洋介:どうしようもなく母性本能をくすぐるのに、敵に回したら到底勝てないと思わせる人間だそうです。父ちゃんがお偉いさんで、しかも洋介自身もめっちゃ頭がいい。

 

天上:岬と同期で、自然と岬の保護者的な立ち位置になっている。才能というものにコンプレックスをもっている。

 

 

所感

岬と天生の対照的な2人が中心となって話が展開されていくわけですが、個人的にはやっぱり挫折を味わった天生の方に感情移入をしてしまうんですよね。

 

この2人だけでなく美波であったり羽津であったりと脇役もなかなかいい味を出していたり。

 

岬は天真爛漫なんですが、こういったキャラって実は何かを抱えていたりするんですよね。

 

その岬に嫉妬と、憧れ?を抱いて接している天生のやり取りが面白いんです。

 

岬は人が気にしないところに着眼点を置いていて、少しでも気になることがあればそれをきっかけに物事を解決に導いていく。

 

そしてそれは正義のために。

 

天真爛漫というよりは素直で純粋なんでしょうね。時には周りの者を巻き込んでしまうことがあるかもですが。

 

ただ、嫉妬や負けん気から天生は岬に接していたのですが、音楽を通して風向きが変わってくるんですよね。

 

クラシックが嫌いだと思ってた岬がまさかのピアノのコンテストに参加してるという驚愕の事実が。

 

そして、そのまま検事よりもピアニストになっていくってのが、また驚き。

 

まるで、ドカベンというマンガが柔道マンガから野球マンガに変わったくらいの変わりよう。

 

タイトルがベートーヴェンとあるので、音楽に絡んでるとはいえ、ちょっと話のもっていきそうが無理があるような気はしました。

 

でも、オモロかったです!

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