米澤穂信さんの「Iの悲劇」を読み終えました。
米澤穂信さんの作品は「氷菓」に続いて3作品目の読了です。
今回は簑石という過疎地を舞台としたお話。
そんな過疎地に人を誘致するために「甦り課」という部署が作られて、3人の職員が奮闘をしていくわけです。
主な登場人物
万願寺邦和:主人公。まあ、卒なく仕事をこなすし、すべてが平均的な人物。
観山遊香:時には空気を読めない発言をするが、3人の中では唯一の女性で、人当たりもいい。
西野秀嗣:3人の中では課長職で一番偉い立ち位置にいるが、定時になるとすぐに帰ったり頼りない部分はあるけど、いざというときは絞めてくれる。
所感
この本の帯をみると、なんとなく怪奇ミステリーなのかなと思ったけど、そんな感じでもなく蓑石という町に移り住んできた近隣の住民同士のトラブルを題材にしてて、それが複数の話から成り立ってる構成でした。
過疎地にせっかく人を誘致できたと思ったら住民同士がトラブルを起こしてすぐに出て行ってしまうのを繰り返すわけなんです。
偏見もあるけど、人もいない村みたいなところに住もうと思ってるくらいの人なので、一癖も二癖もある人が集まるのは仕方がないのかもですね。
最初の方の話で共通してるのが灯台下暗しといったところでしょうか?
自分は被害者だと思ってたら実は逆に加害者だった。みたいな。
という視点で読んでいたのですが、ひょっとしたら何かの祟りなのか?
って本気で思ってしまうくらいになかなか人が定着しないわけなんですよね。
でも、引っ越してきてはすぐに出て行ってしまうということが何度も繰り返してると、そこには人為的なものがにおってくるわけなんです。
本当は誰かが裏で糸を引いてるんじゃないかってね。
まあ、この感想は結末を知ってるから言えてるわけで、最後のどんでん返しには驚かされました。
やっぱ帯にある通りに怖い内容でした。
霊的なものよりも、人の感情的なものの方がよっぽど怖いですね。
でも、まあ読んでる分には興味を惹かれて読み進めれたし、なかなか面白い結末だったんじゃないかなと思いました。
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