石持浅海/パレードの明暗

読書感想文

石持浅海さんの「パレードの明暗」を読み終わりました。

 

石持浅海さんの作品は「温かな手」に続いて12作品目の読了です。

 

そして、今回は座間味くんシリーズの短編集!

 

座間味くんといえば、ハイジャック事件を解決したヒーロー。

 

ちなみに、座間味くんという名は本名じゃなくてニックネームなんです。

 

今回もいろんな事件をするどい視点かつ違った方向からみることによって事件の真相を暴いていくというスタンス。

 

しかも、過去の振り返りの話の中で、実はその事件の真相はこうだったんじゃないかな?

 

という疑問を提起していくんです。

 

なかなか、面白かったです。

 

少女のために

幼児虐待というか、児童売春を題材にしたお話。

 

母と娘の2人暮らしで、生活に行き詰まった母が娘の写真を売って味をしめてしまったわけなんです。

 

その時にこの事件を担当した婦警さんの行動が、一見は感情的に動いてしまって、警察としてはあるまじき行為とも受け取られたわけなんです。

 

が、座間味くんとしては、この婦警さんの行動は実は先を見越した上での計算づくでの行動だったのでは?

 

ということなんです。

 

その場にいなくても事の真相を掴める座間味くんはすごい。

 

 

パレードの明暗

男子学生と女子学生ともにパレードの最中に仕掛けられた罠をなんとか止めようとしたわけなんです。

 

結果だけでみると男子学生の行動の方が賞賛されるんですが、実は女子学生の方が立派な行動をしてたんじゃないの?

 

という座間味のするどい指摘。

 

さすがですね。

 

 

お見合い大作戦

お見合いをすすめられた男性が、なんとか相手を傷つけない形でお断りされる方向にもっていこうという話。

 

今回の7つの短編集の中では害を及ぼしてないという点で安心して、そして楽しく読めました。

 

が、相手も同様だったりで、結局は結婚に至る。

 

まぁ、ほのぼのした感じで良かったです。

 

 

その他の4つの話もどれも面白かったです。

 

今日買ったのですが、あっという間に読み終わってしまった。

 

石持浅海さんの新刊も読んでみたいな!

 

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