中村文則さんの「私の消滅」を読み終わりました。
中村文則さんの作品は「教団X」に続いて6作品目の読了です。
中村文則さんの本は、やや思想めいたところもあって刺激的なものが多くて、読後は疲れることが多いのですが、たまにその刺激を求めて読んでしまうんですよね。
今回もかなりパンチがきいていて、ゾッとする内容でした。
冒頭にいきなり、「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。」って文章があって、ビビッてしまいました。。
ただ、ページをめくらないと話が分からないのでドキドキかつビビりながら読み進めました。。
主な登場人物
僕:主人公。登場人物で特に主人公の名前を明記しないのが、中村文則さんの本の特徴の一つですかね。ただ、僕は間宮ってことだと思います。
小塚亮太:僕が入れ替わろうとした人物。この人の手記をベースに話が進んでいく?
所感
主人公である「僕」が入れ替わろうとしていた小塚亮太は小学生の頃に家族から煙たがられてて、異質なものとして見られていた。
母親は実の親で、その母親は新しい男性と一緒になり、そして妹が出来るわけなんです。
ただ、この妹が面倒なやつで、何かと「小塚亮太」を苦しめるわけなんです。
そんな中、その妹が崖から落ちて重症を負う事故があって、それがある意味当然のように「小塚亮太」が犯人扱いされるんですよね。
しかも新しい父親はDVな男。
もう悲惨な小学生時代を過ごしてるんです。
そりゃ精神的にまいってしまいますよ。。
しまいには母親にも手を出してしまったみたいやし。。
ただ、ここからが誰が誰なのかとか嘘話なのか本当の話なのかがカオス状態になっていくんです。
この本に限らず、中村文則さんの本は一度読んだだけだと内容を理解するのが難しすぎるような気がします。
かといって2回目読むのもなかなか精神的に参ってしまうし。。
洗脳って言葉のちらほら出てきたり、昔の性犯罪者の名前が実名で出てきたりなので、現実の世界と精神の中の世界が複雑に混じりあってるような気がしました。
いや~、、、
重たかった。。
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