湊かなえさんの「絶唱」を読み終えました。
湊かなえさんの作品は「ポイズンドーター・ホーリーマザー」に続いて16作品目の読了です。
久しぶりの湊かなえワールドを期待してたのですが、いつもとちょっと作風が違ったかも。。
今回はいくつかの話に分かれてる短編小説でした。
楽園
主人公は大学生の毬絵(まりえ)という女性。
阪神淡路大震災で双子の妹の雪絵を亡くしたという暗い過去を抱えてるわけです。
で、その毬絵がいきなり同棲中だった裕太をおいて、トンガという国に行くわけなんです。
トンガ?!
トンガという国は「南太平洋に浮かぶ約170の島群からなる国家で、イギリス連邦加盟国のひとつ」らしいです。
南国の片田舎ってイメージなんですかね。
そこで知り合った杏子と花恋という親子とのすったもんだがあったり、困り果てたときに、裕太がトンガに駆け付けてくれたりとあるわけなんですよね。
で、毬絵から衝撃の告白が。。
色んな可能性も考えられたけど、湊かなえさんっぽいオチだったような気がしますが、その衝撃度がなんとなくインパクトに欠けてるんだよなぁ。
期待値が高かったからかも!
太陽
今度は杏子の視点からの話です。
学生のときに、ろくでなしの男の子供を授かったことで、杏子1人で子供を育てることになるわけなんです。
それが、花恋です。
まぁ、児童相談所に目をつけられたりもしてイライラが募る日々。
そんなときに、杏子もトンガに向かうわけなんですよね。
ちなみに、杏子も阪神大震災の被害を受けた一人で、そのときにセミシという男性と出会ったことがあって、そのセミシに会いにトンガへ。
ただ、セミシはすでに亡くなっていたみたいで、会えず仕舞い。
おまけに毬絵にはぶたれる始末。
まあ、いろいろとついてないこともあるけど、そうはいっても花恋のことを大事にはしてるし、なんとか幸せにはなって欲しいなとおもいました。
絶唱
多分、この話は湊かなえさんの実体験から来てるんやろうなと。
だから、今までと微妙に作風が違うのかとも思いました。
友達との関係もそうですが、なんか辛く悲しい話って印象を受けました。
絶唱というのは、声をかぎりに感情込めて歌うことという意味らしいですね。
湊かなえさんの実体験をもとに書かれたことだと思いますが、静かながらもじんわりと感情が込められてるんじゃないかなと思いました。
コメント