むかえびと/藤岡陽子

読書感想文

藤岡陽子さんの「むかえびと」を読み終えました。

 

藤岡陽子さんの作品は、「トライアウト」に続いて4作品目です。

 

前に読んだ「いつまでも白い羽根」もそうですが、作者自身が看護士をしていたこともあって医療に関わる話が多いのかなと。

 

今回は助産師さんの話ですが。

 

ちなみに、自分の母親も看護士をしていました。ということもあって、昔はよく病院に行く機会があって看護士さんとも接していました。

 

今回もあったかい話かと思いきや、どうなってしまうんやろうかと心配してしまう内容でした。

 

まさに、今ニュースになってるカルロスゴーンの不正が内部告発で判明したばりの展開に!

 

 

【主な登場人物】

有田美歩:主人公。助産師さんで、真面目なで正義心も持った人。障害をもった姉に対してのコンプレックスからの振り返りもあって心強くなった。

 

草間道子:美歩の先輩。「仕事をすることは生きること」とか、仕事以外にも大切なことを教えてくれる良き先輩。

 

理央:美歩の後輩。可愛らしいんやろうけど、可哀想な運命が待ち構えている。

 

院長:典型的な大人型の悪役。でも、個人的には、こういうスタンスの人間は嫌いじゃない。

 

佐藤:一風変わったとっつき辛い人ではあるが、思いやりのあるなかなかイケてる奴。

 

【所感】

院長とその取り巻きのボンクラくんが、やらかしてしまったことに対して美歩は立ち向かっていくんやけど、ホントなんで謝罪が出来ないんやろうか?保身のために自分の非を認めないがために、結果として懲役くらってるわけやし。

ざまーみろと思ってしまうところですが、まあ他人のふり見てなんとかってやつで勉強にもなりました。

 

まぁ、そうはいっても病院経営は大変なんだなということと、現場は過重労働で大変なんだなということは生々しく伝わってきました。

 

その中でも、美歩は強い信念を持った対応をしていたので素晴らしいと思いました。

 

助産師のことを「むかえびと」って呼ぶみたいなのですが、なんかこの言葉ってすごくあたたかく感じる。

 

理央は草間さんから教えられたみたいなんやけど、「無意味な命などこの世に一つもないことを、私たちは信じて働く」そうです。

 

草間さん、かっこいいやん!

 

正義心もそうですが、命の尊さも伝わるいい話でした。

 



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