垣谷美雨/七十歳死亡法案、可決

読書感想文

垣谷美雨さんの「七十歳死亡法案、可決」を読み終えたので読書感想文を書きます。

 

垣谷美雨さんの作品は「あなたの人生、片づけます」に続いて4作品目の読了です。

 

なかなかパンチの効いたテーマで、題名だけでも感想というか見解をたくさん書けそうです。

 

70歳になったら人生を終えないといけないなんて、現実の世界では余程のことがないかぎりありえないことではあるけど、実際に起こったとしたらどんな事態になるのか?

 

小説ならでは描ける世界感ですね。

 

主な登場人物

東洋子:主人公の主婦。義理の母の介護をしたり、息子が会社を辞めて引きこもりになったり、夫は自分のことしか考えてなかったりと気苦労が多い。

 

正樹:そんな東洋子の息子。一流大学を出てたり、有名な企業に入社してたりするのでじ頭はいいのかも。

 

所感

この本が出たのは2012年と8年近く前らしいけど、そのときと比べて現実の世界でも老人介護の問題とか全然変わってないように思える。

 

むしろ、逆に悪くなってるのでは?

 

とそれはさておき、考えさせられるテーマでしたね。

 

妻の東洋子の置かれてる状況が本当に大変。

 

夫も空気を読めなさすぎて、しかも善意からでなく本当に何も考えてないノーテンキな感じもしたし。

 

息子の方もニートになりかけ寸前まできてしまってるし。

 

 

頼れるはずの夫と息子がこんな状態だから、東洋子からしたらもはや家を出るしかないわけです。

 

でないと、東洋子自身が壊れてしまう。

 

嫁姑問題も絡まってるし、もう気が狂いそうになりそう。

 

リフォーム云々の話も出てきてたりするけど、本質的な部分が変わらない限り問題は解決しないでしょうね。

 

 

仮に70歳で人生を終えないといけないとなった場合、自分の場合は残り30年弱。

 

自分なりの有意義な時間を過ごしていこうかなとは思う一方で、今回のダメ夫のように周りに迷惑や負担をかけることにもなりそうなので、当面はしっかりとがんばり、残り少しとなった段階では静かにひっそりとなりを潜めるって感じがいいかな。

 

と思ったり。

 

今回の本は面白いテーマでもあり、残酷なテーマでもあるなと思いました。

 

 

 

 

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