辻村深月/ツナグ

読書感想文

辻村深月さんの「ツナグ」を読み終えたので読書感想文を書きます。

 

辻村深月さんの作品は「傲慢と善良」に続いて13作品目の読了です。

 

ツナグの前作は映画で観たのですが、すごく感動した記憶があって、今回はその続編なのですごく期待値が高いのです!

 

感動するだけじゃなく、考えさせられる内容でもあるところがこの作品の好きなところかも。

 

死んだ人と一回だけ会えるという話。

 

ただ、死者の方も誰かと一度会ったら、もう誰とも会えないというルールがあるんです。

 

だから、慎重に誰と会うのかを考えないといけないんです。

 

まぁ、誰もがこの「死んだ人と会える」という経験が出来るわけではないんやけどね。

 

そして、今回は5つの話で構成されていました。

 

 

プロポーズの心得

俳優をやっている神谷ゆずるという23歳の男の話。

 

ゆずるが会いたいと申し出たのは実の父親でした。

 

この父がなかなかのヤンチャものだったらしく、生前に母親と離婚をしてからは父とゆずるは全然会ってなかったのです。

 

この父親が女癖も悪かったとかで、ゆずる自身がまるで自分を見てるようで苛立ちもありつつも、やっぱり父と会えたという喜びが大きくて涙を流すんです。

 

もし、自分も死んだだれかと会えるのであれば、父と会いたいと思ってるので、この話はすごく感情移入が出来ました。

 

感動です。

 

 

歴史研究の心得

元教師の鮎川というおじいちゃんの話。

 

そのおじいちゃんが会いたいといった対象は戦国時代にいた上川岳満という人。

 

そうなんです。一風変わったおじいちゃんなんです。

 

今回の話はこのおじいちゃんではなくて、上川岳満の立場だったらどうなんだろう?と思って読みました。

 

上川岳満からすると数百年後の先の人で、しかも自分の家系では無い、まったく知らない人に会いたいと言われるわけですから、なんか変な感じですよね。

でも、逆に自分の名前が語り継がれてるという喜びがきっとあったんでしょうね。

 

なんか、その気持ちは分かるような気がする。

 

自分もおこがましいながらも、何かを後世に残したいなと思ってたので。

 

時代を超えての死者と生者の再会。

 

面白かったです。

 

 

母の心得

今度は逆に、不慮の事故で子供を亡くした人が、その子供に会いたいという話。

 

辛い話ではあるけど、女の人のメンタルって男に比べてやっぱ強いんだなと思いました。

 

死んだ子供と会ったのが父ちゃんの方だったら、きっと泣き崩れたりしてたんだろうなと。

 

 

 

想い人の心得

もう何十年にもわたって何回も会いたいと依頼をし続けてるおじいちゃんのお話。

 

会いたいと願った相手は若い10代の頃に亡くなったお嬢さん。

 

ずっと想い続けのもすごいと思うし、おもわれてる方もすごいなと思う。

 

 

なんか、まだ続編がありそうな予感!

 

てか、また他の話も読みたいなと思ったし、前作も小説で読んでみようかなと思いました。

 

 

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