中山七里/嗤う淑女

読書感想文

中山七里さんの「嗤う淑女」を読み終わりました。

 

久しぶりの中山七里さんの作品の読了でしたが、相変わらず内容がえぐいなと思いましたw

 

今回はタイトルにもあるとおり、女性が中心としたお話です。

 

・野々宮恭子

中学生の恭子が主人公のお話ですが、この恭子が学校でいじめにあっていたのです。

そんな時、従妹にあたる美知留が同じ学校に転校をしてきてから状況が変わっていくのです。この美智留がなかなかの悪女で、いじめられても戦うスタンスの強い人なのですが、また美智留は美智留でなかなかハードな問題を抱えているんですよね。

 

でも、やっぱりこの美智留は悪魔のような女なのです。この恭子をうまいこと利用して美智留の抱えていた闇を解決するんですよね。まるで、東野圭吾さんの「白夜行」のような世界観でした。

 

こわっ

 

 

・鷺沼紗代

話は数年経った後に、次は恭子の学生時代の友達の紗代という銀行で働く女性の話です。

この人もまた癖のある人で、闇をもってる人なんですよね。

身の丈にあった生活ができなくて借金だらけの生活を送ってたときに、運悪く、美智留と恭子に出会うのです。

まるで、角田光代さんの「紙の月」のような世界観になっていくのです。

 

ホンマ、おそろしいわぁ。。

 

 

・野々宮弘樹

今度は恭子の弟の弘樹のお話。

ここにもまた、美智留の悪魔のささやきが襲ってくるんですよね。

 

この弘樹をそそのかす形で、一家殺害の事件を引き起こしていくわけやけど、美智留の目的はホンマになんなんやろうか。。

 

人を引き付ける人は魅力的ではあるけど、ちょっと怖いなと思ってしまいました。

 

でもやっぱり実際にそういう人と接するときっと自分も惹かれてしまうんやろうぁな。。

 

 

こわいこわい。。

 

 

古巻佳恵

この人もまた、不幸なことに美智留の魔の手にかかってしまった人です。

 

生活の苦しさから、夫を保険金詐欺がらみの殺人を犯してしまうのです。

 

にしても、この美智留は聞き上手であって、まるで新興宗教の教祖みたいな感じなんですよね。

 

すんなりと人の弱みに漬け込む天性の才能があるといいましょうか。

 

 

ただ、すっかりと忘れていました。

 

中山七里さんの本にはどんでん返しがあるということを。

 

 

最後の章では、すっかりと騙されたというか、ハッとさせられました。

 

いま、思い起こせばところどころになんでこんな描写があるんだろうって感じてたのを思い出したり。

 

やっぱ中山七里さんの本は怖くてえげつないけど、面白いです。

 

 

 

 

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