湊かなえ/未来

読書感想文

湊かなえさんの「未来」を読み終わりました。

 

湊かなえさんの作品は「カケラ」に続いて23作品目の読了です。

 

湊かなえさんといえば、イヤミス。

 

今回は、未来の自分から手紙を受け取った女性の話って感じでスタートしているので、ひょっとして爽やかな展開!?

 

と思いきや、けっこう重た目の内容でした。

 

主人公の章子は小学生の頃から家庭環境でも学校でも苦労をしているのです。

 

学校では実里という同級生の女の子に嫌がらせを受けているんです。

 

家では、実の父親は病死、母親も精神が病んでしまってる状態。

 

その母親も自身の故郷で、砲火を起こして両親を死に至らしめたんだとか。

 

そんな母親を最後まで守り抜こうとした父親も病死。

 

そのことで、父方の家とも絶縁状態。

 

そういう両親を見てなのか、章子は健気にも母親を守ろうとするんですよね。

 

でも、不幸は重なるもので、束の間の幸せ?な時間がきたとしても、なにかのきっかけで脆くもそういうのは壊れていく。

 

そのあと、3つのエピソードの話があるんやけど、特に3つ目の話は何でここで、こんな話を持ってきたんやろか?

 

と思ってたら、思いがけないところで、この物語の本質に繋がっていったのでビックリしたのとしびれました。

 

と言ってももっと注意深く読んでたら、すぐには気づいたのかもやけど。

 

湊かなえさんの本に出てくる意地の悪いやつって、ホントに底意地が悪いというかゾッとする思考の持ち主が多いような気がする。

 

何となく今までのパターンとは違った展開にも感じましたが、それでもやっぱり面白かったです。

 

 

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