柚月裕子さんの「検事の死命」を読み終わりました。
柚月裕子さんの作品は「臨床心理」に続いて9作品目の読了です。
今回は佐方検事のシリーズもので複数の話から構成されていました。
佐方は一見は冷静沈着ではあるけど、心はホットな部分もあって、なんだかんだで人間味があるところが魅力的なんですよね。
心を掬う
郵便屋さんが舞台となっているお話。
滅多に手紙を出したことがないからあんまりピンと来ないかなと思ったけど、佐方の事件解決に向けての情熱のカッコ良さが現れていて面白かったです。
汚れ仕事であっても自ら率先してやっていく。
そういう姿勢っていいですよね。
犯人のボンクラくんには爪の垢を煎じて飲ませたい気分ですよ。
横領はアカン!
業をおろす
佐方検事の父ちゃんも絡んできてのお話。
佐方のこの冷静沈着なスタイルと、本質をついていこうとしている姿は親父譲りやったんだなと分かる話です。
佐方にしても佐方の父ちゃんにしても口数は少なくとも、多くは語らずとも何が正しいのかをしっかりと見据えて行動している。
すごく勉強にもなるし、熱いお話でした!
死命を賭けると死命を決する
第3話と第4話が今回の主題にあたるんやけど、めっちゃおもろくてここから一気読みしてしまいました。
社会的に地位のある奴が、とある女子高生に痴漢をしたわけやけど、その女子高生の方は過去に万引きで捕まったこともあって、話をちゃんと聞いてもらえないわけなんです。
それて、痴漢をしたボンクラは冤罪だと主張をするわ、社会的な権力を使ってことを荒げないように仕向けるわで、大変なんです。
そんな佐方も、権力の脅しに遭うわけなんやけど、そこはまさに検事の使命のもと、正当な判断を下そうとするんです。
なかなか出来ることではないけど、やっぱりそういったなかなか抗えない勢力に対して戦っていく姿や、そして勝ったときは読んでて爽快ですね。
ほんと、痴漢をする奴は罰則として指を詰めるくらいのことをしたらええのに。
兎にも角にもすっきりとする面白い話でした。
やっぱ柚月裕子さんの本はオモロい!
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