柚月裕子/検事の本懐

読書感想文

柚月裕子さんの「検事の本懐」を読み終わりました。

 

柚月裕子さんの作品は「最後の証人」に続いて6作品目の読了です。

 

すっかりと柚月裕子さんの作品にハマってしまってます。

 

連続放火魔の話を最初にいくつかの話から構成されている短編集でした。

 

佐方という検事を軸にしているものの、各々の話では各々の登場人物が主役みたいな感じです。

 

樹を見る

南場という50代の刑事さんが主役です。同期で出世している佐野という嫌なやつにいびられているせいか、結果を求めすぎた感じもあって、事件の本質に気づかなかったみたいなお話です。

 

そこに冷静沈着な佐方検事が活躍をするのです。

 

連続放火魔が犯したやつは全部、特定された犯人がやったやつだろうと誰もが思っていたところ、そのうちの一件は他の者が犯人だったというお話。

 

う〜ん、面白かったけど、長編小説として読みたい内容でした。

 

 

罪を押す

パチンコに狂ってしまい、平凡だった人生が借金まみれになり、刑務所とシャバを行き来するようになった小野という奴のお話。

 

一歩間違えれば自分もそうなっていたし、自分のことのような気持ちで読みました。

 

今回の話も樹を見ると同じように思い込みからしっかりと確認をしなかったがために事件の本質を見落とすとこほだったという内容。

 

佐方はしっかりと調査をしたからこそ、それを防ぐことは出来たんやけど、思い込みというのは本質をボカすし怖いね〜。

 

恩を返す

そんな冷静沈着な佐方の昔の友達の女性のお話。

 

あるボンクラな警察にゆすられてて助けて欲しいと佐方はお願いをされるわけです。

 

過去の佐方の姿を見れて良かったなとは思うのですが、冷静な立ち振る舞いは学生時代から変わってないんだと認識できた今日この頃です。

 

本懐を知る

今回の短編集の中の主人公といったところでしょうか。

 

こちらも佐方の過去の一面を見ることが出来たのですが、佐方の性格は親譲りだったんですね。

 

冷静なだけでなくて、人情にも厚い。

そして受けた恩もしっかりと受け止めて恩で返す。

 

 

今回の短編集はいい意味で物足りないなと感じたのですが、それでもやっぱり人としてという部分でも勉強になったし、面白かったてす。

 

 

次作も読みます!

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