中山七里/ネメシスの使者

読書感想文

中山七里さんの「ネメシスの使者」を読み終わりました。

 

中山七里さんの作品は「悪徳の輪舞曲」に続いて9作品目の読了です。

 

なかなか重いテーマでした。

 

軽部という、過去に2人の女性を殺害したにも関わらず無期懲役だけで済んだボンクラの男がいて、その男の母ちゃんが残忍な方法で殺害されてしまったのです。

 

そして、その遺体のそばにはネメシスという復讐の女神の名前が血で書き残されていたのです。

 

犯人は、殺害された2人の女性の遺族なのか?もしくは愉快犯なのか?

 

主な登場人物

古手川:この事件を追っている刑事さん。確か中山七里さんの他の作品でも登場していたような、、

 

軽部:女性2人を残忍な形で殺した奴。こいつは刑務所にいるが、母ちゃんが殺されてしまった。

 

二宮:こいつも自分勝手な思いから人を殺めたことで刑務所に入ってる。父ちゃんが殺されてしまった。

 

 

所感

まあ、自分もどちらかと言うと死刑は反対派ではあるけど、この本を読んでると改めて考えさせられましたね。

 

残された家族のことを考えるもそれもありなのかなとか。

 

でも、法に則った上でとはいえ人が人を殺めるような気がして怖いんですよね。

 

今回の話はなんとも言えないやり場のない気持ちになるわけです。

 

罪を犯したやつに復讐はしたいけど、本当は死刑になってくれればそれで多少なりとも復讐心を抑えることはできたかもやけど、本人は刑務所の中でいけしゃあしゃあと生きてるわけです。

 

変わりにそいつの家族が復讐のターゲットになってしまうわけです。

 

遺族からしたら、どんな風に感じていいのかよく分からない感じになってしまっても仕方ないかなと思ってしまう。

 

世間ではネメシスという犯人が英雄みたいに奉られてるし。

 

まるでデスノートというマンガのキラみたいな存在になってるんでよ。

 

でも、まあさすがに中山七里さんですね。

 

またまたどんでん返しが待ってるんですよ。

 

犯人が捕まってからの展開がさらに面白いかったです。

 

そして、最後の渋沢という判事のセリフがまたすごいんです。

 

この本というか中山七里さんの考え方が凝縮されてるように感じました。

 

思わず最後のこのセリフのところは二度見をしてしまいました。

 

いや〜、面白かった!

 

 

コメント