塩の街/有川浩

読書感想文

有川浩さんの「塩の街」を読み終えました。

 

有川浩さんの作品は「キケン」に続いて7作品目です。

 

「塩の街」は有川浩さんのデビュー作だとか。

 

塩害によって街が壊滅的な打撃を受けたあとの世界の話なのですが、ちょいと生々しい感じもして読み入ってしまいました。

 

巻末に有川浩さんご自身も書いてましたが、文章自体はまだ若々しいが書きたいことをそのまま書いた作品だと言ってたとおり、なんか作者の感情が伝わってきました。

 

この作品は有川浩さんの自衛隊の3部作なんだとか。

 

◇自衛隊3部作

海の街

空の中

海の底

 

 

【主な登場人物】

秋庭高範:無骨な感じはするけど、頼りになる自衛官。友達にはなれなさそうやけど、正義心も強いのでこの世界感でこそ力を発揮しそうなタイプ。

 

小笠原真奈:主人公。秋葉に助けられ、その後は秋庭と共に過ごすことになる。元来の性格のよさなのか、困ってる人を見ると放って置けないみたい。

 

谷田部遼一:1番最初の話に出てきた人物。恋人である海月を失い、真奈に助けられながらも最後は恋人と共に散りたいと考えていた好青年。

 

入江慎吾:キレッキレッのとても優秀な人物。秋庭と同級生やけど、そんなに仲がいいという訳ではない。

 

トモヤ:脱獄をして、さらに秋庭と真奈を襲った悪い奴。色々とあった後に最後は幸せそうな形で終わったけど、所詮はザコキャラ。

 

 

【所感】

この作品は15年ほど前に出されてて、災害によって街全体が壊滅的な状況になったって話やけど、いま現在は特に今年は台風であったり地震であったり自然災害がすごくなってきてるからまさに人ごとではないですね。

 

こういう時に人の本性ってのが出るんやろうけど、秋庭にしても真奈にしても人のために行動を移せるのは本当に大事なことやと思います。

 

自分やったら、自己犠牲にしてまでそんな行動取れるやろうか。

 

トモヤみたいなザコキャラみたいな行動に走ってしまいそう。

 

まぁ、最初は北斗の拳のような世紀末みたいなのを舞台にしたSFチックな話かと思いきや、最後の方は親子の愛情であったり秋庭と真奈の恋愛話であったりしたけど、全体的には切ない話に感じました。

 

3部作みたいですが、一旦はこれでお腹いっぱいかな。

 

 



 



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